奈良の中心部、近鉄奈良駅からほど近い場所に、ひっそりと鎮座する率川神社(いさがわじんじゃ)。
平安時代の延喜式神名帳に「率川坐大神神御子神社 三座」と記載されている由緒ある神社です。
そして、こちらの神社を語るうえで忘れてはいけないのが、三柱の御祭神の関係です。
中央に娘神、左右に父神と母神。
まるで両親が大切な娘を両側から見守っているような配置になっていることから、古くから「子守明神」とも呼ばれてきました。
そのため、安産・子育て・家族円満を願う人々から篤く信仰されてきた神社です。
さらに境内には、同じく『延喜式神名帳』に記載される古社、率川阿波神社も鎮座しています。
奈良の歴史と神話が凝縮されたような、小さいながらも奥深い神社。奈良町を散策した際には、ぜひ訪れていただきたい一社です。
率川神社のご祭神とご利益

率川神社の御祭神|親子三柱の神様
延喜式神名帳に率川坐大神神御子神社 三座と記載されいるように、三柱の神様がお祀りされています。
中本殿(御子神)|媛蹈韛五十鈴姫命
日本書紀に登場する女神で、大物主大神と玉櫛姫命との間に生まれた神様とされています。
後に神武天皇の皇后となり、御子をもうけられました。
夫である神武天皇の崩御後、皇位をめぐる争いが起こった際に、我が子を守るため知恵を働かせた女性としても描かれています。
単に「安産の神様」というだけではなく、母として子を守る強さを象徴する女神ともいえるでしょう。
左殿(父神)|狭井大神
大物主大神の御神霊として知られ、大神神社の摂社・狭井神社との深い関わりがあります。
大物主大神は、三輪山をご神体とする大神神社の御祭神として知られる神様。
生命力や健康、国土の守護など、幅広い御神徳を持つ大神様です。
右殿(母神)|玉櫛姫命
三島溝杭命の娘で、大物主大神(事代主神とも)との間に媛蹈韛五十鈴姫命を生みました。
ちなみに、三島溝杭命は、八咫烏、賀茂建角身、大山祇神と同じ神様だともいわれていますから、とんでもない大神様の娘神ですね。
境内に立って三社を眺めていると、「子どもを守る」という神社の性格が、社殿の配置そのものから伝わってくるように感じます。
率川神社のご利益|安産・子育て・家族円満
率川神社で特に知られているご利益が、安産・子育て・家庭円満です。
父神と母神が御子神を守るように鎮座していることから、古くから子どもの健やかな成長や家族の幸せを願う人々から信仰されてきました。
これから子どもを授かりたい方、妊娠中の方、無事な出産を願う方にとって、親子三柱をお祀りする率川神社は心強い存在です。
「子守明神」という呼び名にも、子どもを慈しみ、守る神様への信仰が込められています。。
出産だけではなく、子どもが生まれた後の成長を願う神社としても信仰されています。
親として子どもの幸せを願う気持ちは、いつの時代も変わりません。
率川神社は、そんな親の祈りを受け止めてきた場所なのだと思います。
親子三柱が寄り添うように鎮座することから、家族の絆や家庭円満を願う参拝にもおすすめです。
疫病を鎮める「三枝祭」と病気平癒
率川神社を代表する祭礼の一つが、毎年6月に行われる**三枝祭(さいくさのまつり)**です。
別名「ゆりまつり」とも呼ばれる、奈良の古い祭礼です。
笹百合の花を用いて神前を飾ることから、この名前で親しまれています。
三枝祭は、疫病を鎮めることを願う祭りとして古くから行われてきました。
そのため率川神社は、病気平癒や健康を願う神社としても信仰されています。
率川神社の創建

社伝によると、推古天皇元年(593年)に勅命によって大三輪君白堤が春日邑率川にお社を建てて媛蹈韛五十鈴姫命をお祀りしたのが始まりといいます。最初は一柱だけお祀りしていたということです。
そこへ、元正天皇の御代になり、藤原不比等によってお社が建て増しされ、子守神(玉櫛姫命)と狭井神(大物主大神)をお祀りしたようです。
中世から江戸時代まで、春日大社の管轄社でしたが、明治以降は大神神社の摂社となってます。
率川神社へ参拝しましょう
近鉄奈良駅のバスターミナルの西に「高天」という交差点があります。この交差点を南に曲がるとすぐに漢国神社の赤い鳥居がありますが、今回はスルー。
さらに300mほど南へ歩くと、玉垣と鳥居が見えてきます。これが率川神社です。
社頭

車でのアプローチは、この鳥居から入ります。
鳥居を抜け拝殿のすぐ前を通り抜けて奥の駐車場に行かないといけません。初めてだと、かなり勇気が必要です。
拝殿

これが拝殿です。
ガラス張りですので、風雨から守られる構造となっています。古社然とした雰囲気はありませんが、これはこれで現代的というか機能的というか。。。
自祓大麻があったので、自分で自分をお祓いしてから参拝です。
二拝二拍手一拝
本殿

本殿は南向きで、三棟が障屏でつながった一間春日造です。檜皮葺きですよ。
三連の春日造りは美しいですね。好きです。が、、、
白いテントが無ければもっと美しいはず、と思うのは私だけでしょうか。
大神神社遥拝所と蛙石

拝殿本殿と対峙する位置に、大神神社遥拝所が設置されています。
画像左側の石の壁です。三輪山を描いた陶板が埋め込まれています。
ここから本社である大神神社を遥拝するのですね。
画像右の石が蛙石です。カエルに似ているから名付けられたとのこと。
撫でると、
のご利益があるとか。
お賽銭を入れて撫でてみてください!
境内社

境内の東北角、赤い鳥居の奥に境内社が3つのお社が並んでお祀りされています。
摂社:率川阿波神社

中央のお社が阿波社。事代主神を恵比須神としてお祀りしています。
今では小さな社ですが、延喜式神名帳にみえる「率川阿波神社」に比定されています。奈良時代に阿波国から勧請され、かつては西城戸町にあったそう。それが廃れてしまったので、率川神社の境内に遷したとのこと。
この日は初えびすの飾り付けが残っていました。
末社:春日社
阿波社の左に鎮座するのが春日社です。
春日大神がお祀りされています。
春日大神は、春日大社の御祭神で 武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売神の四柱の神様の総称です。
末社:住吉社
阿波社の右に鎮座するのは住吉社です。
住吉大神がお祀りされています。
住吉大神は、底筒之男神・中筒之男神・上筒之男神の三神(住吉三神)を指す場合と・神功皇后も含めた四柱の神様の総称とする場合がありますが、
こちらの住吉神社は四柱の神様がお祀りされています。
住吉三神は、伊弉諾尊の禊で現れた神であることから、祓いの神とされたりしますよ。
これで、率川神社のご紹介を終わります。
交通量の多い車道に面している割に、境内は静かで穏やかな空気が流れるやさしい場所です。
是非、ご参拝下さいませ!
神様のご加護とGORIYAKUさんが、
皆さまのもとに舞い降りますように、、、
最後までお読みいただきありがとうございました。
| 率川神社のアクセス |
|
| 住所 | 奈良県奈良市本子守町18 |
| 電話番号 | 0742ー22ー0832 |
| 参拝時間 | 9:00~16:00 |
| アクセス | 近鉄奈良駅・JR奈良駅から徒歩7分 |
| 駐車場 | あり 鳥居から進入して拝殿前を横切り、奥の駐車スペースへ。 他の参拝者に注意して進んでください。 |


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